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次の日、雲ひとつない青空が広がっています
田んぼでひと泳ぎしたルエカはひと休みしようと草むらにあがります
「ふぅ、とってもいいお天気ね。こんな日に泳ぐのはとっても楽しいわ。……ん?何かしら?」
ルエカがくつろいでいると、なにやらにぎやかな声が聞こえてきます
ルエカが草むらからそっと覗くと、人間の少年たちが4人いました
なぜかひとりの少年は背中にひとつ、手にはふたつのランドセルを持っています
「おい、絶対に落とすなよ」
「落としたらビンタだからな、ビンタ」
ふたりの少年はふたつのランドセルを抱える少年に言いました
「まぁ、なんて酷いことを言うのかしら?」
ルエカはふたりの少年に怒りを覚えながら荷物持ちをさせられている少年の顔をまじまじと見ました
眉毛はねこじゃらしの様に太く、目は眉毛と違って細い目です
鼻と口もちょっと大きすぎる気がします
「まぁ、あの子なんてヘンテコな顔をしているのかしら?あれじゃあ仕方ないわ」
ルエカは荷物持ちをさせられている少年から、自分でランドセルを背負っている少年を見ました
パッチリとした目がとってもきれいな美少年です
「ごうくんも持たせればいいじゃん、楽だよ」
「ううん、自分で持つよ。変なのがついたらいやだし」
ごうくんと呼ばれた少年がそう言うと、ふたりの少年は大きな声で笑いました
「ごうくんっていうのね、素敵な子……。きっと私の王子さまに違いないわ」
すっかりごうくんに夢中になってしまったルエカは、彼と結ばれるのだと思い込んでしまいました
ルエカはじいやを探しました
じいやはすぐ近くの木かげでゆっくりしていました
「いたいた、ねえじいや聞いて。私結婚するわ」
「おぉ、それは素晴らしい!いったいどこのカエルですかな?」
「人間よ。ごうくんっていうの」
ルエカの言葉を聞いた瞬間、じいやは固まってしまい、見る見る怖い顔になっていきます
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