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「いけません、ルエカ様!人間はダメです!彼らには私たちの言葉は届きません!」
じいやはルエカを本気で怒りました
「なによ!口を開けばお説教ばっかり!じいやなんて嫌いよ!」
ルエカは初恋をじいやに否定されたのが悲しくて、どこかに飛んでいってしまいます
「ルエカ様!あぁ、なんでよりによって人間を……。それにごうくんというのはお仲間をいじめていたではないですか……」
じいやはごうくんたちがひとりの少年をいじめながら歩いているのを、ルエカとは違う場所から見ていました
「もう、じいやは分からず屋なんだから!私の歌声はどのカエルだって聴き惚れてたのよ?きっとごうくんだって私の歌声を聴けば私を好きになるわよ」
ルエカはそう信じて疑いません
「私の歌声は雨の日に1番輝くわ。あぁ、明日雨降らないかしら?お願い、太陽さん。明日はゆっくり休んで雨雲さんに来るように言ってください」
ルエカはギラギラと輝く太陽にお願いをしました
翌日、ルエカのお願いが届いたのか、雨がザーザー降りました
「よかった、太陽さんは私のお願い叶えてくれたのね。あとはごうくんを待ちましょう」
ルエカは昨日ごうくんたちを見かけた草むらに隠れてごうくんを待つことにしました
しかしごうくんたちはいつまで経っても来ません
「はぁ……今日は来ないのかしら?」
ルエカが諦めて帰ろうとしたその時です
にぎやかな声が聞こえてきました
「もしかして……」
期待しながら草むらから顔を出すと、ごうくんたちが来ました
雨が降っているからか、ヘンテコな少年にランドセルを持たせている人はいません
「待ってて、私の王子さま。今歌声を聴かせてあげる!」
ルエカは少年たちの前に出ると、歌を歌い始めました
ゲコゲコ
ゲロゲロ
ぶぉーっ
ぐぉーっ
ルエカは一生懸命歌いましたが……
「うわっ、ウシガエルだ!」
「気持ち悪い!しっしっ!」
昨日ヘンテコな少年に荷物を持たせていたふたりの少年が手で追い払うようなしぐさをします
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