3人が本棚に入れています
本棚に追加
「ついにやったな」
きょとんとするわたしに、楠さんがにやにやしながら。
「はっ…」
「こいつ、那賀さんに近づきたくて、もの持たないようにしてたの。まあ、時計は会社にあるから聞けないけど。そうそう靴も」
「なんでぺらぺらと…っ!!」
耳まで赤くなって慌てて楠さんを止めようとするも、また滑る。
「ま、頑張れよ」
そう言って手をひらひらさせながら、ジャンプ傘をバサッと開くと、土砂降りの中を颯爽と帰っていった。
最初のコメントを投稿しよう!