1人が本棚に入れています
本棚に追加
外は良く晴れている。その空を眺めていて、なんとなく隆弘との出会いを思い出す。
──あれは、大学に入って少し経ったころだった。隆弘が私に声をかけてきたんだっけ。あれは、なにがキッカケだったかな? とにかく、うれしかったのを覚えている。別に、隆弘のことが好きだったわけじゃなくて、二年間付き合った彼氏に卒業を理由に振られて、落ち込んでいたときだったから。
『うっそ、それ、意味わかんね~理由だな』
隆弘は笑った。私も、一緒に怒りながら笑えていた。
それも、うれしかった。
あれから隆弘にどんどん惹かれていった。
徐々に日差しは違う方向へと移っていった。私の周りの人たちは、疾うに何組も姿を変えている。
──いい加減、お腹すいたな。
今までは、隆弘がそろそろ来るかもと思っていて、遠慮していた。でも、もう……頼んでもいいよね!
「すみません」
店員さんは返事と共にすぐに来てくれる。案内してくれた店員さん。私を……気の毒だと思っているのかな。
「パンケーキ下さい」
「はい」
私の怒ったような声にも変わらない笑顔。この店員さんは、すてきな女性だな。
最初のコメントを投稿しよう!