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昔から雨の日が好きだった。
そう言うと同世代の子ども達からは、変わり者だと言われた。
たしかに雨が降ると、外に遊びに行くことはできないし、興味本位で外に出てみれば濡れて親に叱られる。
でも、好きだった。
ぱちぱちと、窓や雨戸にあたる雨音が。
外の暗さのおかげで、いつもより明るく感じられる室内が。
お気に入りの雨具を身につけて、水溜まりと戯れる一時が。
ずぶ濡れ、泥まみれになって帰ってくると、面倒くさそうに頭を拭いて、そのくせすでに湯を張っていてくれる母の優しさが。
そして、今も―――――。
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