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駈の背中に回された輝流が焦れて爪を立てる。その痛みさえも心地よく感じるのは、彼を愛してやまないからなのだろう。
どこまでも一方的な愛――。
溢れた蜜でしとどに濡れた蕾に指を這わすと、彼はぎゅっとしがみついた。
「ここに……俺を受け入れてくれますか?」
クチュリ……。
咲くことも知らない未開の蕾に指先をゆっくりと沈める。そこは何かを待ち受けるべくしっとりと濡れ、駈の指を包みこむように受け入れた。
きついのは処女ゆえ仕方のないこと。交わりを知らないこの蕾に凶暴な楔を穿ち、咲き散らすことを許されたのは許嫁である駈だけなのだ。
円を描くようにゆっくりと解していく。発情期にはオスを受け入れるために自然と蕾は柔らかくなり、どんな楔でも受け入れるように体が順応すると聞く。しかし、駈は輝流を傷付けたくはなかった。
たとえ自我を失っているとはいえ、愛らしい顔が苦痛に歪むのは見たくない。
「――ほら、だんだん柔らかくなって来た。ここで繋がるんだよ」
「んぁ……っ。き……も、いいっ! はぁ、はぁ……もっと、奥、擦って」
「欲張りなお口だね……。でも、お前が望むなら俺は何でもしてあげる。ほら、こうして……もう三本も咥え込んでしまったよ? 指じゃ不満?」
「あぁ……そこ……イイッ! あ、あっ……」
長くしなやかな駈の指が根元まで沈められ、クチュクチュとわざと音を立てて中を掻き混ぜる。
指をバラバラに動かし、しっとりと絡みつく粘膜を楽しみながら、蜜を溢れさせているペ二スをそっと口に含んだ。
「んあっ! ダメ……ッ! あ、あぁ……イッちゃう!」
蜜を舐めとる様に舌を絡めながら、フルフルと震える先端にやんわりと歯を立てる。その衝撃に指を食んだ蕾がキュッと締まった。
「ダメ、ダメ……! イッちゃうから、ダメッ!」
「好きなだけイケばいい……。お前は俺の子を孕むことだけを考えて……。そう快楽に身を委ねて俺の愛だけを糧に生きればいい」
「愛……?」
「そうだよ。愛がなければ子は成さない……」
駈の言葉に初めて黙り込んだ輝流は、唇を噛んだまま顔をそむけた。
その目尻から流れた涙の意味――。
嬉し涙なのか……それとも。
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