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「同族よ、怨みを抱いた同族よ、我の刃で事を果たすがよい」
八咫の声がすると、伊助はゆっくりと小烏丸を抜いた。
「ケケケッ・・・同族か」
伊助はニヤリと笑うと、欄干から跳ね上がり、空中から降り際に小烏丸で建の胸を一突きにした。
「キエェェェイ!」
伊助と八咫の声が入り交じり、絶叫が小雨の降る境内に響いた。
「あぁがぁぁぁ!」
建は絶叫と共に刀の中へ吸い込まれ跡形も無くなってしまった。
その一瞬が、建少年の最後の記憶となった。
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