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「何を言うのかと思えば、君は!」
「長津田さん、随分動揺しているようですが、我々がアナタに刺客を近づけさせはしません、今日ここに来たのは、先生にご教授頂く為では無く、明日の警備体制についてご報告までにとおもいまして」
村上は冷たい視線を長津田に向けた。
「アナタが県知事時代に何をなさったのかは、この件が済んでからお話頂きましょう、明日は私の言う「荒唐無稽な推理」に付き合ってもらいますよ、長津田先生・・・」
大学の研究室を出ると、岩田は長く続く廊下の先を見ながら呟いた。
「村上、個人的な感情をこの事件に向けるんじゃないぞ」
「何を言ってるんですか岩さん、汚い所を隠している政治家なんか、あれぐらい言われてもどうとも思っちゃいませんよ」
岩田は突然立ち止まり、村上の肩を掴んで真顔になった。
「村上、それ以上感情を出すな!感情は身を食い尽くす・・・それだけは覚えておけ!」
いい終えると、岩田は大股で先に行ってしまった。
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