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「お前が・・・父さんを死に追い込んだことは分かっているんだ・・・ああぁぁ」
少年の声は唸りへと変わり、苦しむように胸をかきむしりながら、実際の唸り声へとすり替わってゆく。
「あぁぁ!もういやだ!人を殺すなんて・・・」
少年が叫び終わると、そこには少年の姿は無くなり、気味の悪い細身の男、伊助が気味悪く笑いながら長津田を睨んだ。
睨むと同時に、伊助の身体は瞬時に長津田の目の前に現れた。
「ケケッ!キョウハヤメテオイテヤル」
伊助は侮蔑するような笑いを浮かべると、次は扉を突き破り、廊下に飛び出していた。
「我の最終目標がすぐそこにアル」
「ケッ・・・わかっている」
「もう一つのヤイバ、この身に・・・」
「ケッ!」
短い思考内の会話を交わしているうちに、伊助の身体は特別展示室の前に移動していた。
「そこまでだ!鴨伊助・・・いや八咫烏の化け物か」
伊助の視線の先には、拳銃を構えた村上と、こちらを睨んでいる岩田の姿が映し出された。
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