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「秀ぅー!!」
名前を呼ばれ声の聞こえた方向へ視線を向ければ懐かしい顔が揃っていた。
「司じゃん!ひっさしぶりだな!また背、伸びたんじゃねぇの?」
日比野 司。
クラスメイトの一人で卒業してからはあまり連絡は取っていないけど中学時代は同じサッカー部のメンバーだった。当時は小柄な身長とノリのよさでみんなからいじられる愛されキャラだった。
「たしかにこの歳にして身長は3ミリ伸びた!けど、まだお前よりちっせーよ!!言わせるなよバカっ!」
「俺らは無視ですか?」
「大輝に隼人も無視してないから。お前らは…
ちょっと老けた?」
「大輝は老けたな。」
「髭生やしただけなんですけど!!」
石井 大輝。
親友のこいつとは付き合いが長くて保育園から高校まではクラスもずっと一緒の腐れ縁。ほぼ幼馴染。最近結婚して童顔を隠すために髭を生やしたんだけだそのせいか老け顔に一気にジョブチェンジ。
高橋 隼人。
中学に入ってからの友人で当時も今も衰えることのない高身長のイケメン。本人は謙遜するけれどちょっとお洒落なカフェやバーで飲めば女の方からやってくるんだから十分にイケメンである。
「将也と祐希は?」
「今向かってるってさ。そんなことよりとりあえずいっぱい乾杯しようぜー!」
司からビールを渡されて4人で乾杯をする。やっぱり仕事終わりのビールは最高にうまい。やっとそう思える年齢になり大人になったこと、あの学生時代からそれだけ月日が経っていることを痛感させられる。
「秀哉もまた一段とイケメンになったんじゃねぇの?会社じゃ隼人より引く手数多でしょ。」
「そんなことないから!ただのしがない平社員だよ。」
男6人。部活で野球、バスケと並び花形のサッカー部だったのも手伝い学生時代はそれなりにみんなモテた。でもいまじゃ立派なアラサーである。
酒が弱い司はすでにほろ酔い気味で絡んでくるがそれをやんわりとかわす。
「俺らのクラスって何人くらい来てんの?ほかのクラスも合同だっけ?」
「今日は俺らのクラスだけだよ。お前ちゃんと同窓会のハガキ読んだか?」
呆れ顔で大輝にそう言われてしまい笑ってごまかす。あたりを見渡せば男はそれなりに見覚えのある顔が揃っているが女は化粧や髪色が変わりすぎててわからないやつが多過ぎる。
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