side girls

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「なーんでこの子は逃げようとするかなぁ…。とりあえずもう終電間に合わないっしょ?って事で俺ん家に今日は泊まっていきなよ。タクシーで帰るには高くつくし歩いて帰れる距離でもない。それに深夜に女の子が1人で歩くのは危ないよ。 あ、ちなみに俺が親切に送ってあげるかもかもー!って選択肢は無い方向でね。」 奏はきっぱりとそう言い切ると車に乗るためにグイグイと腕を引っ張って言ってしまう。たとえ今日が試写会で多くの業界の人がいるからと言ってたかが一介のスタッフなんかと2人きりでいるところを見られたら週刊誌のネタにされかねない。逃げなきゃ本当にマズイ。 「いや本当にいいです!遠慮させてください!私まだ週刊誌に載りたくない!!」 「載らないから安心しなさい。」 「じゃあ載らなくても嫌だ!」 「じゃあって何よ…」 頑張って抵抗してみたものの男の人の力に敵うわけもなく、車に乗せられはっと気づけば目の前には高層マンション。間違いなくそこは隣で鼻歌なんぞ歌ってる奏の家でしかなくてため息しか出てこない。 手を引かれて車を降りエレベーターに乗せられる。奏はポケットからカードキーを取り出してエレベーターの機会にかざした。階数ボタンを押さなくても自動的に動き出した。 「さっ、疲れたでしょ?入って入ってー」 「・・・・ぉじゃまします。」 背中を押されて入った部屋を見て生活の違いを痛感した。実家は一軒家だったのでマンションの部屋を見る事自体初めてだったというのもあるが。 通されたリビング1つとっても何畳あるんだろうってくらい大きくて、家具も統一感ある色合いでセンスしか感じない。テレビもこれ、何インチなんだろう……。 遠い目をしながらボケっと突っ立っていると背中を優しく押された。 「もしかしなくても緊張してる?大丈夫大丈夫!連れて来といてあれだけど取って食ったりなんかしないし適当にくつろいでくれればいーからー。」 そんなこと言われると余計に気まずいってーの… 来てしまったものは仕方がないのでひとまず目に付いたソファに腰を下ろした。カバンを下ろしてやる事がないのでキョロキョロと部屋の中を見回してしまう。 「コーヒーと紅茶、2つともダメならお水とかジュースもあるけど何飲む?」 「え、あっ…じゃああったかい紅茶で。」 「ん、りょーかい。」
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