side girls

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奏は落ちつかないあたしの様子を気にするでもなくキッチンへ消えて行った。あの人はまじで何を考えているのやら… 小さくため息をつくとテーブルの上に載っている雑誌が目に入った。何気なく手を伸ばしてみるといくつか折り目のつけられているページがあった。 そのページに書かれている記事を見て驚愕する。テーブルの上に載っている他の雑誌をとって見ても全部同じような記事が載っていた。 「なんでこんなのばっかり…」 「あ、それ見ちゃった?人前に出てる以上ある程度は仕方のないことではあるんだろうけど勝手に有る事無い事書かれちゃうもんだから嫌になっちゃうよね。」 「・・・・・。」 いつのまにか近くに来ていた奏があたしの読んでいた記事を見てへらっと笑う。なんでもないようなフリしてるけどこんなこと書かれてなんの傷も受けずにいられる人なんてきっとどこにもいるはずない。 返事を返さない静香に奏は小さく息を吐いてテーブルに持ってきたマグカップを置く。膝の上に置かれたままの週刊誌を取って読まずにページを閉じた。 「なんで当事者の俺より君の方が傷ついちゃってるような顔してるのさ。勝手に連れてきたのは俺の方だけどそんな顔されるなら今日仕事に行く前に片付けてから行けばよかったね。」 隣に座った奏はポンポンと優しく頭を撫でてくれる。過剰に触れるでもなく一線を引いて寄り添う。 「あたしやっぱりあなたの事理解出来ないし、きら…好きにはなれません。でも人の事好き勝手に罵ったりするような人よりかは嫌いじゃありません。」 「そっか。」 奏の家に置いてあった週刊誌を読んで傷ついたり悲しんだりするなんて勝手すぎる。だけど、あたしは"性質上"それを強く受けすぎる。 「週刊誌に書かれている記事を鵜呑みにするもしないも読み手の自由だ。真実は本人にはわからない事がほとんど。それでも許して応援してくれる人のおかげで俺たちは成り立っている。」 頭を撫でていた手が頬を撫でて顎に手をかけた。奏は逸らしていた視線をこちらに向けてあたしをじっと見てそのまま顔を近づけてくる。 「それ以上近づいたら野宿でも構わないので今すぐこの部屋から出て行きます。」 そう言うと奏はあと少しで唇が触れてしまいそうな距離で動きを止めた。 「でも、これ以上何もしないって誓うなら今日だけは隣にいることにします。」 少し距離を置いてそう言った私を見て奏は笑った。
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