side girls

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普段私に接しているみたいなちゃらんぽらんな雰囲気は一切無く真剣な表情をしていたので声をかけずにそっと扉を閉めた。 まぁ、呼び出したのは自分だしそのうち気づくだろう。 勝手に自己完結させて頼まれていた家事に取り掛かることにした。邪魔しないように、出来るだけ音を出さないように。 *** お洒落な壁掛け時計の針が二本ともちょうどてっぺんをすぎたころ、ようやく奏があくびをしながらリビングにやってきた。どうやらひと段落ついたらしく手にはいつもコーヒーを飲んでいるマグカップを持っている。 「あ、えっと、おはようございます…?お邪魔してますよ。」 キッチンで鉢合わせるなりびっくりした顔をされたのでなぜか変な挨拶になってしまった。疑問形でおはようございますってなんだよ…。 「おはよ……ってか、来てたなら一声かけてよ!びっくりしたじゃんか~。知らない間に眠っちゃって夢の中かと思ったわ。」 「呼び出して毎度毎度お手伝いさせてるのは奏でしょうが。」 本気なのかボケなのかよくわからない言葉をシカトして料理をしていた手を止める。どうせ後は煮込むだけだから食べる本人にさせればいい。 そのまま奏を無視してキッチンを出るために横をすり抜けようとしたのに邪魔をされた。 「邪魔です。どいてください。」 「何でいつまで経ってもそんなにつっけんどんなのか教えてくれたら退いてあげる。」 日本人男性の平均身長はそんなに高くない。だから奏が私とそんなに身長差が無ければこう言ったわけわからないことを言われても得意の空手で転がしたりもするんだけど生憎こいつはきちんと成長期に恩恵を受けたのか身長がとても高い。足をかけて転ばせる力が足りない。ムカつく。 「貴女が普段女性の方からどんな扱いを受けているのかは存じあげませんが私は貴女のことが好きなわけではありませんのでこの態度です。何か問題でも?」 「んー、まぁ及第点かな。」 そう言うと通せんぼしていた体を退かしてくれる。そのまま何も言わずに今度こそ通り過ぎようとしたその時、 「・・・チュッ」 頬に手を回されて後ろを振り向かされたかと思ったら僅かな音を立ててキスをされた。唇のすぐ横、ギリギリの所に。
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