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落ち着いて・・・
落ち着いて、ワタシ!!
こういう時には、そう、深呼吸、深呼吸しかない!!
大きく息を吸って、吐いて、吸って、吐いて・・・フウ・フウ・フー、フウ・フウ・フーって、何も産まれてこないから!!
冷静になろうとすればする程、どんどん情緒が不安定になってくる。そもそも、一方的な内容の、この理不尽なメールを送ってきたのは彼だ。一体どういう事なのか、本気で言っているのか、本気の本気の本気で言っているのか、本人に確認してみれば良い事だ。
「よし」と気合を入れ、スマートフォンを片手にディスプレイを睨み付ける。ディスプレイに写り込む自分の目が血走っていて怖い。
メールアプリを起動し、彼からのメールに返信しようと人差し指を伸ばす。小刻みに震える指を自覚した瞬間、その震えが全身に伝播していく。
>ホントに好きな人ができたの?
そんなに、その人が好きなの?
その人と付き合ってるの?
ゼッタイ、私の方がその人より好きなのに
文字を入力していた手が止まる。
こうじゃない。私が伝えたいのはこんな事ではない。
メールが嫌いな彼が、わざわざメールを送ってきたのだ。彼の言葉にウソはない。そんなに簡単に覆る話しでもないはずだ。
つまり、私が送るべきメールの内容はこうだ。
>分かった。
好きな人ができたんだったら仕方ないよね。
じゃあ、もう、これからは友達っていう事で。これからは、ただの友達として、メールとかしても良いかな?ゼッタイ、ジャマなんてしないから。
内容を全面的に変更。 彼の意思は全面的に尊重しつつ、友達として彼との繋がりを持つ。
傍にいてチャンスを窺うという気持ちはヒタ隠すし、そう簡単に忘れられないとか、生霊になってでも追い掛けるとか、そんな事は顔に出さない様にするし。大丈夫!!
何が大丈夫かは、自分で華麗にスルー。
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