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「へんないろ」
その女の子は、僕の顔を見るなり吐き捨てるように言った。
可愛らしい顔に似合わない、不機嫌そうな表情で。
降りしきる雨のなか、町はずれの小さな小道。
空色の水玉傘を差した彼女と僕のほかには誰もいない。
……この季節にはありきたりの、じめじめした湿気の鬱陶しい梅雨の日。
「……僕の色が？ なぜだい？」
「わたし、ピンクいろってきらいなの。青いろがすき。なのに、おかあさんもおともだちもみんなおんなのこなのにへんねっていう。おんなのこだとピンクがすきじゃないといけないの？ なんで？ わたしは青いろがすきなのに」
「そうか、だから僕は変な色なのか」
僕は少し派手なピンク色をしている。
日常ではあまり見かけない色だからか、変わっているものを見るような目で見られることもある。
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