14.こうしてパパは私の夫になった!

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「パパが結婚できなくて、憂鬱な生活を送っている時に、面倒を見てやっている後輩がソープランドへ誘ってくれた。寂しさを紛らわすために、それから度々通った。そこで、女性の扱いを学んだ。でも刹那的な関係の虚しさが募ったので、いつの間にか行かなくなった」 「そうなんだ。でも、もう絶対に行かないで」 「分かってる。約束する」 「気になっていることがあるけど、聞いていい」 「何でも聞いて」 「年の差のことなんだけど。今、久恵ちゃんが22歳、パパが40歳で18歳も離れている。パパが60歳の時は、まだ42歳なんだよ。それでもいいの」 「両親が死んだ時に思ったの。人間いつ死ぬか分からない。それなら今日を精一杯生きればいいと。精一杯生きた今日の連続が人生だと。先のことなんか分からないから、パパとの一日一日を大切にしたいの。 それにパパが調理師免許を取らせてくれたから、いつでも仕事は見つかると思うし、住むところもあるから、一人でもシングルマザーでもなんとかやっていく自信ができてきた。ママも一人で私を育ててくれていたから、私にもできるはず」 「その覚悟を聞いて安心した。でも、パパは死ぬまで久恵ちゃんを守り抜くことを誓うよ」 「ありがとう。頼りにしています」 「うちの母親が言っていたけど『死ぬ死ぬと言っている奴に死んだ者はいない』そうだ。将来展望も大事だよ」 後ろから抱いてもらっているので背中が暖かい。安心? 幸せ? で一杯。いつの間にか眠ったみたい。パパが何か耳元で話していたけど覚えていない。 数日後、二人で近くの区役所の出張所へ婚姻届を提出しに行った。証人が必要だったので、パパの後輩の春野さんとマンションの管理人さんにお願いした。 ゴールデンウイークには、私の思い出のためにと、婚約指輪と結婚指輪を二人で買いにいって、二人だけの結婚式を挙げて写真を撮り、披露宴を私の同期の務めるレストランでそれぞれの親しい友人を招いて行った。 私は幸せで一杯だった。新婚旅行は思い出の伊豆下田の少し高級なホテルに1泊2日で行った。 めでたし、めでたし。
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