一寸法師

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日のようにお参りに行った。 それでも大きく成ることなかった。 一寸法師には名前が付けられることがなかった。 あまりに小さく、人間として周りのもが名を付けなかったので、頭が良く勇敢な小人を「一寸法師」と呼んだ。 ある日「一寸法師」は志だし高く、武士になると言い出し、二人の老夫婦は必死に止めた。 「お爺さんお婆さん、私は京に行って武士になりたい」 「お前は知らないが、京はここから、遥かに遠く、とても危険なところで、とてもお前には行けない」 それでも、どうしても行きたいと、二人を説得した。 「お前が行くと言うなら仕方がないが、もし無理であれば帰っておいでよ」 老夫婦は心配だが小さな「一寸法師」の為に身支度をさせて行かせることになった。 お椀の船、箸を櫂に、針を剣にして麦藁を鞘(剣のさや)にして旅に出ることになった。 「一寸法師、気を付けて行くのだよ」 二人は涙を流し、別れを告げた。 お椀の船で必死に漕ぎ、京都に着いた「一寸法師」大きな家を見つけ 「どうか私を働かせてください」 「そんな小さな体で仕事ができるのか」 「はい、体は小さくても勇気と知恵があります」 「よし、分かったお前がそれほど言うのなら、使って
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