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部下の命乞いはするつもりだが、叶えられる見込みは薄いと思っている。
(一番若いこいつだけでも、帰してやりたいんだがな……)
死を避けられないのをわかっているのに、強がって駄々をこねている部下の頭をぐりぐりと撫でた。子犬のようで隊のみんなで随分可愛がってたのだ。
(まぁ、せめて死ぬときは皆一緒にしてもらえるように頼んでみようか。それくらいは許してほしいもんだ)
「なんですか、いきなり~」とぐちゃぐちゃにかき回された髪を庇いながらも、やはり部下の眼には涙が溜まっていた。
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