時雨唄

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俺の嫌いな ……雨 時雨れるならば まだ好ましいかも知れない 否(いや) やっぱり嫌いだ しとしとと降る雨 ざあざあと降る雨 さめざめと降る雨 雨…… 俺の嫌いなモノ 昊が泣くんじゃねぇ その湛えた滴を 落とすな 大海はその嘆きを 掬ってくれるかも知れない 大地はその哀しみを 受け止めてくれるかも知れない だがな 俺にだけは その滴を見せるな 俺は 偽りの俺は その涙を拭うことが 出来ないじゃねぇか なぁ…… ダミーの俺は 寛大な大海の様に 湛えに湛えた滴を掬ってやれない 広大な大地の様に 堪えに堪えた泪を受け止めてやれない 早く泣き止めよ 御天道様が泣いてんじゃねぇよ 御前が泣いてたらな 光のない曇った世界になるだろ? 昊が泣くと 俺は嘯く 使い古された 感じがいいだろ? 俺は雨が嫌いだ 昊が泣いているからな 俺は其れを拭えない 昊が曇った表情で泣いていれど 俺は其れを受け止めれない しとしとと降る雨 ざあざあと降る雨 さめざめと降る雨 色んな哭き方が或る 俺の嫌いな ……雨 時雨れるならば まだ好ましいかも知れない 否(いや) やっぱり嫌いだ しとしとと降る雨 ざあざあと降る雨 さめざめと降る雨 雨…… 俺の嫌いなモノ だが 案外悪くないもんだな 雨の日ってのは 言い換えれば 天の日……だからな
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