「優しい彼(彼女)が豹変して一言」

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ある日の放課後… 蘭丸は、担任から呼ばれた蓮を教室で待っていた。 何故か向かえには、前の席の椅子に後ろ向きで 座る女子が。 「何か…用?」 「暇でしょ?遠山くんが来るまでいてあげる」 (はぁ?) 「いや…別にいいし」 「お喋りしようよ」 (女って何でこう…話聞かねぇかな) 居座り続ける彼女と、当然話などないが、いま いち邪険に扱えない蘭丸。 「遠山くんて、いつもクールでカッコいいよね」 あぁ、そういう事かと蘭丸は思った。 「俺は伝えねぇから本人に言って」 蓮を誉める女子は多く、彼はいつもこう答える 事を徹底している。大概(たいがい)それで離れて行く筈が… 「でもあたしは…藤崎くんみたいな可愛い系が 好みなのー」 彼女がニッコリと。 「……」 やがて教室から誰もいなくなると、彼女は更に 身を乗り出し、 「ねぇ…藤崎くんは女のコとキスした事ある?」 囁く様に言った。 「…ねぇけどそれが?」 「あたし…藤崎くんとならいいよ。初めての 相手になったげる」 (おいおい勘弁しろよ…つうかひとっ言も頼んで ねぇのに何で上からだ) (たま)らず立ち上がった蘭丸を、壁際まで追い詰め る彼女。 「可愛い」 迫る唇。 「いやちょっと…マジやめ…」 バーン!! 勢い良く開いた扉に目をやると、まるで般若の 様な形相の蓮が。 「おぅ蓮おかえり」 (助かったー!) 蓮はそれに何も返さず、彼女を見据えながら蘭 丸を抱き寄せ、 「や…やだぁ…恐ぁい遠山くん!」 「あぁ!?てめぇら女共のがよっぽど怖ぇわ!」 瞳を潤ませる彼女に吠えたのだった。                     了
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