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①
ある休日、大和と岬は一緒にカレーライスを作
る事に。
「お前すっげぇな」
先に炒めるため、あっという間に玉ねぎを切り
終えると岬が感心し、
(可愛い)
大和はとてもいい気分である。
火にかけ時折混ぜながら、バラ肉を切り茄子を
水にさらし伺うと、人参、蓮根、ジャガイモ、
岬は真剣な表情で、それらの皮をむいていた。
(見つめられながらむかれる…あー…その野菜に
なりてぇ…いや…ずっと握ってて貰えるの考えた
らピーラーの方いいか?)
アホな妄想で、一人悶々とする大和。
(何でこんな可愛いんだ)
大和は、根菜と戯れる岬を撮ると、
「代わろうか?切るのとどっちがいい?」
そう声をかけた。残るはジャガイモだけだ。
「レンコン切りてぇ、どんくらいにする?」
「小さくていいよ」
岬は頷き、不慣れながらも一生懸命で。
(…包丁で刻まれんのもいいな)
大和はマッハでジャガイモをむき、ただただ岬
を見つめていた。
「…大和」
「なぁに?」
「フライパン煙出てっけど大丈夫なのか?」
「…あーーー!!」
慌てて火を止めるも、玉ねぎは見るも無惨な代
物に。
「お前でも失敗すんだな」
「……」
(一緒に料理…無理だな)
大和が自覚した、そんな昼下がり。
了
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