「一億円を手に入れて…」

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ある日の昼休み、空き教室にて皆で過ごしてい た大和たちの元へ、アンケートに協力して欲し いと新聞部の男がやって来た。 テーマは『もし一億円が手に入ったら?』 だそうで。 「おー、お安いご用だ」 彼とは何かと記事での付き合いがある為、神威 が快く受ける。 「いつもありがとね、はいじゃこの順番ね!考 え過ぎるとつまらなくなるわ、どんどん言っち ゃって頂戴!」 なかなかのイケメンであるが彼はオネェな上、 グループの大ファンだ。 神威「ライヴハウス建ててぇな」 神羅「レコーディングスタジオもな」 (ほんっと素敵ツインズ) 晃司「外車だな」 (あら…車好きなんて初めて知ったわ) 慶太「みんなで旅行とか楽しそうじゃねぇ?」 (己の欲より仲間…優しいコなのよねぇ) 彼は心の中で呟きながら頷き、手帳に書き留め ていく。 蓮「ハーレー乗りてぇ」 (そのクールな眼差しで族を蹴散らす様を見せて 頂戴な!) 蘭丸「キャンピングカーでその日暮らし」 (放浪願望があるのね…意外だわ) 加納「家建ててバラ園で食えたら最高」 (あー…似合うでしょうねぇ) 春人「あ、いいなそれ…で、グランドピアノと アーケードゲーム置きまくってな」 (吊って!UFOキャッチャーでアタシを吊って!) 一人妄想で大盛り上がりな彼。 翔「…颯に全部やっちまいそうな気ぃする」 (完全に尻に敷かれてるわね) 橘「じゃあ一緒にさ、監視カメラ仕込んだ ラブホ経営しようよ」 (ほんっとこのコは可愛いのにハレンチな発言し かしないのよね) 翼「フィットネスでも始めるかな」 (主婦層からの絶大な人気が目に浮かぶわぁ) 長谷川「世界中を旅する写真家」 (可愛さ自覚しなさいよ!危険だから!) 無意識に彼の息は上がる。 (さぁラストね!どう来るかしら) 岬「…んー…一階で大和が飯屋、二階で俺が 服屋、三階が自宅んなってるビル建てる」 (あぁいいわぁー…是非叶えて欲しいわねぇ) 大和「無人島に家建てて、死ぬまで岬と遊んで 暮らす…あー…船も買わねぇとどこにも行けね ぇか」 (やっぱり違うわね…スケールが) 大和が岬と二人きりでいたいのは、痛い程に解 っている仲間たちであるが、そのプランだと一 瞬で一億などなくなり、遊んで暮らす金など残 らないのでは…と誰もが思ったが言わなかった。 了
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