「メールを開いたら、恐怖が待っていた」

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『愛してるよ』 『俺もだ』 授業中、岬とのメールを楽しむ大和。岬は今、 調理実習中である。 『何作ってるの?』 それきり返事がなく、大和はただ画面を見つめ て待っていた。 (あ、来た) (ほころ)び顔でメールを開いた大和は、その文面に凍 り付き、 「何!?」 目を疑う内容に、授業中にも関わらず叫ぶと、 ガタリと席を立つ。 神羅、晃司、翔が何事かと目をやった刹那、大 和は教師が止める間もなく教室を飛び出した。 一心不乱に家庭科室へと向かい、勢い良くその 扉を開ける大和。 「岬は!誰が岬を拐った!」 当然大注目を浴びながら、 「あぁ…野間くんなら保健室に行…」 その足で今度は保健室へ。 バーン!! 「岬!!」 「うるせぇぞコラ」 すかさず柄の悪い保健医が注意。 「…おぅ、何だわざわざ来たのかよ」 岬は椅子に座っていた。 「どうしたの?」 そしてどうやら、手当てを受けている様子。 「メールしたよな?皿割れて指切った」 「……え?」 岬から届いたメールは、 『拐われた』 であった。                    了
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