「秋の学校で…」

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「ハッピーハロウィーン!お菓子くれなきゃ イタズラするぞ!」 大和たちは昼休み、佐渡が作ったバンパイアの 仮装姿で遊んでいた。 「その前に十字架で砂にしてやる」 「あー?蓮だってバンパイアなんだから一緒に 砂んなっちまうじゃねぇかよ」 「お前と心中なんかごめんだ」 一番似合っている蓮と、言い合いをする神威に 皆が笑う。 放課後には街へ出て騒ぐ予定であるが、大和は 岬を裏庭へ誘った。綺麗に色付いた紅葉の下で 写真を撮る為に。 「おー…秋って感じだな」 「ね」 「あー…また長ぇ冬が来んのか…」 ツーショットは勿論だが、バンパイア姿で紅葉 を見上げて呟く可愛い岬を何枚も撮る大和。 「ねぇ、岬はもし吸血鬼だったら俺を噛む?」 「…んー…どーだろーなー…そしたらお前も 吸血鬼んなんだろ?」 「俺は岬の血だけで生きたい」 「…生きてんのか?そもそも…そうか、じゃあ 俺も吸血鬼んなって欲しいんだなお前は」 岬は真剣だ。 「ううん?吸血鬼はね、噛まないで触れるだけ でも血を貰えるんだよ?」 「…そうなのか」 「ずっと一緒にいたいけど…悩むね」 「いいぞ、噛んで」 「…え?」 「俺もなる、吸血鬼」 「……」 「寿命つったら変だけど…人間のが早く死ぬん だろ多分…そしたらお前一人んなんじゃねぇか」 「…うん、そうだね」 「だからいいぞ」 大和は物凄く感動した。 「はいこれ、後で渡そうと思ってたんだけど」 その手には、お化けカボチャのクッキーが。 「おぅ、ありがとな」 岬は早速開けて一つ摘まむ。 「ん、旨…食うか?」 珍しく、大和はそれを断った。何故なら… 「お菓子あげたからイタズラするね」 この台詞を言いたかったから。 「…あ?何?…あ、ちょっ…何だ!おい!どこ 触ってんだこんなトコで!やめ…ぁ…ん……」                     了
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