出不精と雨と君と

1/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ

出不精と雨と君と

 あーあ、今日もまた雨降ってきちゃった。最近ほんとに天気変わりやすいし。  夏になる前の雨の日が、人生で一番憂うつかもしれない。  何をする気にもなれない。洗濯物は部屋干しになる。湿気でフローリングはベタベタする。そんな現象を引き起こす雨の中、外に出ようなんて一度も思わない。  というか、普段から外に出ない。まさに、出不精である。  しかし、生きていくにはお金がないと。お金を作るためには働かなきゃいけない。働くためには食べないと。  家から出ないためにはと色々考えた。  仕事は内職をと考えてみたけれど、まず時給が安すぎて話にならなかった。そもそも家はダラダラするものと決まっている。自分の家に仕事を持ち込むのはダメ、言語道断。  だから、他人の家に仕事を持ち込むことにした。その名も、家庭教師。  昔から勉強はわりとできるし、教えるのもべつに嫌いではない。好きでもないけど。あくせく働くよりは、私にはこっちが合っていると思う。     
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!