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雨は嫌い
6月のある日曜日の午後。
塾の2階から見える窓外の景色は、今日も雨模様。
僕は生徒が通ってくるにはまだ少し早い教室で、パイプ椅子に腰掛けて、今日の授業で出す課題をもう一度自分でチェックしていた。
“雨、早く止まないかな”
僕は梅雨が嫌いだ。
空気だけでなく、心までジメジメしてしまいそうになる。
梅雨の時期は雨が止んでも晴れ間は少ない。
晴れを待っていても、また暫くすると雨が降り始める。
その繰り返しだ。
僕は晴れた日の青い空と同じくらい、雨が上がりの、雲の切れ間から光が差す瞬間が好きだ。
雨上がりの青空ほど綺麗なものは無いとさえ思っている。
だから、晴れ間の少ない梅雨が嫌いなのだ。
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