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「あの.....さ、慎二、別れよう? 」
「え?」
突然、彼女からの別れの言葉。
彼女の名は、茨城美香。
同級生で、今高校3年だ。
来年には、同じ大学に行こうって約束して、図書館で一緒に勉強がんばっていた。
今も、2人で勉強をしているところだった。
それなのに、なんでっ.....!?
「なんで.....だよ」
思わず口からこぼれた言葉。
1度、口に出してしまうともう止まらなくなった。
「なんだよ?どうしたんだよ、急に!」
「.....」
俯いたまま、こっちを見ようとしない美香にイライラした。
俺は、美香が好きだ。
美香も.....同じ気持ちだと思ってたのに。
ずっと続くと思ってたのに。
今までの美香との思い出がガラガラと音を立てて崩れていくような気がした。
「なんなんだよ.....、俺はっ....!」
もう、無理だった。
耐えられなかった。
好きな人を責めてしまう自分が嫌だった。
「もういいよ、勝手にすれば.....」
ノートとペンを鞄にしまい、席を立つ。
これ以上一緒にいると、美香を傷つけてしまいそうで。
図書館を出て、廊下を歩く。
鼻がツンとして、目がかすむ。
大股で歩く廊下は、いつもよりも長く感じた。
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