君のいる方向

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「焦ったー!先生に全部聞かれたかと思ったー」 頬を赤く染めてそう言った星奈に、航は 「まぁ、聞かれたところでお前が変な奴って思われるだけだけどな」 と答えた。 「そんなこと言わないでよ」 少しむきになってそう言った星奈の顔を見て、航はポツリと 「だって、俺のこと見えてるのお前だけじゃん」 と言葉を返した。 しばしの沈黙の後、星奈は 「あっ、ねー、今日もラブリーアイス寄ってく?」 と明るい声で言った。 「ごまかすなよ。もういいよ、そういうの」 表情を硬くしたままそう言った航の目を見て、星奈は涙を浮かべた。 「何でそんなこと言うの。それ言っちゃったら終わっちゃうじゃん!」 強い言葉をぶつけた星奈以上の声で、 「もうとっくに終わってるんだよ!」 という言葉が返ってきた。 「頼むよ、星奈。もう認めてくれよ」 そう言って涙を流した航を見て、星奈もぽろぽろと涙がこぼれ落ちた。
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