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「少し横になれば大丈夫だと思います」
そう言って、ベッドに横になると少しだけ頭の痛みも和らぐような気がした。
30分ほど寝ただろうか。
体を起こすと、そこに航の姿があった。
「大丈夫?」
「何で、いるの?」
「もう、放課後」
そう言って星奈の鞄を指す航の顔を見て、星奈は
「待っててくれたの?」
と驚いた表情を見せた。
「うん……まぁ……。あっ、でも鞄もってきてくれたのは保健委員の瀬名さんだよ」
瀬名への感謝をうながすような航の笑顔を見て、星奈は
「航のそういうところ、本当に好き」
とつぶやいた。
「お前さ、本当、そういうところ直した方が良いよ」
耳を赤くしてそういう航を見て、星奈は
「だって本当のことだもん……」
と言葉を続けた。
「高井さん、目覚めた?」
ガラリと開いたカーテンの隙間から保健の先生が顔を覗かせた。
ぺこりと頭を下げた星奈を見て、先生は
「うん。顔色良くなったわね。どう?帰れそう?」
と笑顔を見せた。
「はい。大丈夫です」
と答えると、星奈は身支度を済ませお礼を言った後、保健室を出た。
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