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「あらまあ。あなたが修理を? まだとてもお若いように見えるけど……」
「ご安心ください。確かに若輩者ではありますが、当店『ゼペット』元オーナーの一番弟子で、生まれたときから修理一筋の身の上ですので」
「生まれたときから? まあ、それは心強いわね」
そうして老婦人――若林由紀子は、軽く握った片手を口元にあげ、おほほともうふふともつかぬ声を出して小さく笑った。
きっと若林由紀子は、この雀のようなつぶらな瞳と、抱きしめたくなるような愛らしさで多くの男性に一目惚れされてきたに違いない。よく見ると、右の鎖骨辺りには親指大の火傷のような痕があったが、それすら若林由紀子の魅力を引き立てる美点のように思えた。
「では、お掛け下さい」
そう言いながら瞳瑠先輩は若林由紀子にメニュー表を差し出した。
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