2人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は誰もいないアパートに帰ってきて、
冷蔵庫に食料をつめ終わって、お得パックの洗剤を詰め替えて、
部屋のソファーに座って、部屋を眺めた。
そこの床でヤってたな。
俺はカーテンの外の、いい青空の天気に目を移した。
彼女がいつの間にか買ってきた、観葉植物が窓辺で光合成にいそしんでいる。
俺は、昨夜の晩御飯のツナオムレツ…の材料のツナカンを、ゴミ箱からそっと取り出した。
軽く洗って、拭いて、それから、窓辺の観葉植物の、砂利を手でつかんでツナカンに入れた。
ポケットにライターをいれ、タバコのパッケージを持ち、サンダルを取ってきて、
俺は部屋のベランダに出た。いい天気だ。本当に、いい天気。
室外機の上にツナカンを置いて、俺はタバコに火をつけた。
吸い方は知っている。
飲み会のときに、酔っ払いの友人に何本か吸わされたからだ。
吸いながら火をつける。
肺に入れず、口でふかす。 慣れてないから、これでいい。
3口目から、やっと美味しくなってきた。
これはただの煙で、やはりタバコの味がする。
俺はニコチンの化学式を思い浮かべて、
猿を用いた実験の依存性の論文を思い浮かべて、
肺がんを煩った男性の悔やみの手記を思い浮かべて、
最初のコメントを投稿しよう!