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彼女がこの部屋にやってきたのは、春も終わりのゴールデンウィークだった気がする。
連休に泊まりに来た彼女は、連休が終わっても、ずっと俺の部屋を去らなかった。
彼女はこの部屋から出かけていって、それからこの部屋に帰ってくることが多くなった。
普通の男女が、2LDKの部屋に住むのなら、それはそれは色々なことが起こる。
それから、そのようになって、しばらくの月日が流れた。
葉が生い茂り、雨を浴びて、そして茶色くなって、恐らくそのぐらいの月日。
ベッドの上でする快楽は、2種類ある。
1つは寝ること、そして1つは本を読むことだ。
その日、俺は自分の部屋で1つの快楽をむさぼっている最中、彼女が俺の部屋に帰ってきた。
俺は快楽を中断して、おかえりを言うために、玄関へと出迎えた。
彼女が笑顔で部屋に入ってきて、靴を脱いで。
コートを取って、アクセサリーを外して、どこに行ってたの、ちょっとそこまで、
頭の飾りを取って、部屋着に着替えようとして、俺は部屋に帰って本を読む作業を再開しようとして、
とても狭い廊下で彼女とすれ違ったときに、それに気づいた。
タバコの臭いである。
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