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ー目の前の彼女の姿がだんだんうっすらと光を帯びて消えていくー
なぁ。零。僕も嘘をついてたんだ。30年前、一葉は病気で死んだだろ。それを追うように僕も死んだんだ。自殺ってやつ。だから転生できなかった。そのままの姿でこの世をさ迷うことしかできない。だから零、君がここに来たことにビックリしたよ。僕と同じ飛び降り自殺をしたんだね。夕焼けの日にこの廃墟から。助けたかったんだ。四十九日幸せに過ごせたら、きっと転生できる。きっと、信じてる。
零の姿では会うことはもうできないんだ。生まれ変わったとしてもきっと、会えない。それでも僕は幸せだった。嘘ついてごめんね。
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