ボクは神様

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ボクは神様

『・・・麻衣(まい)、ボクは神様なんだよ』 金曜日の仕事終わり、帰り道の公園で麻衣は以前付き合っていた彼のことを思い出していた。 新入社員として入社した会社の6歳年上の先輩だった。 部署は違ったが、大きなフロアの隣同士の課で、入社当初から彼を知っていた。彼は男女問わず、周りに気配りができ、部内でも彼のことを悪く言う人は少なかった。 世話好きな先輩女性のお蔭で食事会を開くようになり、彼と付き合うようになったのは入社してから2年が経った頃だった。 24歳の麻衣は、週末とたまの平日の夜の彼とのデートが楽しかった。しかし、27歳の時、麻衣の転職を機に彼と別れる決意をして、そして別れた。 会社を去る際、彼と別れたことを、わざわざ周りに自分からは伝えはしなかったが、あれから4年が経ち、きっと彼は同じ社内の人か誰かと結婚をしてしまっているのかもしれない。そんなことをぼんやり考えたりもしていた。
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