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「待ってる」
拓海の小指が絡む。
「今は、幼なじみの拓海が好き。幼なじみの拓海を愛したい」
「……わかった」
「いつか、その時が来るまで。幼なじみでいさせて」
その約束が叶うかなんてわからない。不確かなもの。
でも、私はいつか約束を守るんだろうなって漠然と思っていたりする。
わがままかもしれないけれど。
「お前さ、やっぱりいい女だよ」
「バカ」
「約束だからな」
幼なじみ以上の関係。でも恋人じゃない。
「ありがとう、拓海」
「待ってるからな、亜由菜」
「拓海が幼なじみで良かった」
いつか、拓海への想いが幼なじみではなく恋として見る日まで。
大好きな幼なじみでいて欲しい。
約束。
END
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