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雨の日サァビス
駅を出ると同時に、私はシャーベットブルーの空が落とす一滴に手をかざした。
(ああ、やっぱり降ってきた……)
ぽつりぽつりと手に当たるそれは、温かいのか冷たいのか。
大学の帰り道。
寒色甚だしい絵の具をたっぷりの水で薄めて塗りたくったような空から、ゆったりとしたテンポのメトロノームのように刻み始めた雨粒。
私はそのぐずぐずとは対照的に、手際よくバッグから折り畳み傘を取り出した。
パッと広げた、クランベリー色の丸い空。
お気に入りカラーのそれは、あの古い映画みたいにくるくると踊り、そして唄う。
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