綿菓子のふわふわ

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ふわふわ それは実体はあるのに消えてしまいそうで。 白い世界に自分は居た。 周りを見渡すと、ふわふわの白い物体に目を止めた。 おーい、君は一人かい? ポツンと座る白い者に問うてみると、なんともポカンと口を間抜けに開けた顔をされた。 近くに寄って手を差し伸べてみると、反射的に取ったのか分からないが手を重ねてきた。 それはなんとも可愛らしかった。 ふわふわと浮かんで、まるで雲のよう。 お前は自由でいいな、とつい口に出た言葉。 人の世はとても鮮烈で厳しい。 だからふわふわの君を見ていると不思議な気持ちになるのだ。 軽い嫉妬と、この癒しのような優しい気持ち。 相反するも間違いなく1つの心。 そのふわふわはくるくると空中で踊るようだった。 ずっと見ていられる夢のような視界。
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