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ゴッド イン ザ クレープリー
「ちょっと聞いてよ! もう信じらんないんだから!」
開口一番そう言って挨拶もなくいきなり愚痴をふっかけ始めるこの非常識がブランドものの服着たような女は、カナコさん。学生時代の僕の先輩だ。
この場合、カナコさんがもともと非常識極まりないのか、それとも僕がカナコさんにとって挨拶その他礼儀を尽くすべき対象に入れてもらえていないのか、問題だなと思う。というかそのどちらも大いにあり得てそうなところが、大きな問題なのだ。
「分かりましたけど……っていうかあの、せめてどこか店に入りませんか? 話はちゃんと聞きますから。ね?」
「どこかって何よ。あんたねえ、そんな軽々しく決めて適当にメシ食おうとしてんじゃあないでしょうねえ」
「いえいえまさか! カナコさんのお好きなところで。僕はどこへでもついてゆきますんで」
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