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「何か・・?」
「これは、どうだろう」丈は、立ち上がった。ごそごそと棚の引き出しを探る。「じゃじゃ~ん・・」
「なんか、ドラ*もんみたい」
「ペンジュラム~」
「振り子が何か?」
「魔法の振り子。これが、色々、教えてくれるんだ」
「はあ」
「あ、信じられないのなら、やめるけど」
「ああ、すんません。藁をもつかみたい気分の私でありました~神様、おじ様、東丈様」
「うむうむ、ならば、教えて進ぜよう」
「お願いいたしまする」
「これを、こう掴んで、垂らして・・」
「ええ・・」
「自分では動かさないようにして、でも”右に動け”と振り子に指示してみて」
「ええ・・あ」と美恵子が指示する前に、その振り子、なかなかに意匠の凝ったチェーンの先のそれが右回りに円を描き出したのである。
「ほう、いい反応だ。さすがに能力者だけあるね、美恵子は」
「なんか、動かそうとしていないのに、振り子が勝手に動いて、気持悪い・・」
「そういわないで。イエスなら、右に、ノーなら左に回るように」
「え・・ええ、二択問題だけど、それでも、色々教えてくれる。まあ、完璧じゃないけど、かなり知っている。欧州では、井戸の水脈探しとかにも多くの人に使われているのだけど。それで、振り子に引っ張られる感じで、探し物の場所にいけることを念じて」
「ええ、なんか、信じられないけど」
「信じないと、正解はおぼつかないよ。まあ、参考意見として使うのが賢明だといわれているけどね」
「なんというか、警察犬のかわりみたいな?」
「まあ、そう考えれば良いかもね。くりかえすけど、おまえは能力者なんだから、自信を持って。振り子、おまえの能力を増幅するアイテムなんだから」
「はあ、そういうもんですか」
「それで、その証拠物件ってのを探してくれたまえ」
「まあ、おじ様が、そういうのなら、それを信じて」そういいながら、半信半疑の様子ありありで、その振り子を美恵子はこそこそと革ジャンのポケットに入れた。
「健闘を祈る」
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