きのうの希望

3/5
前へ
/28ページ
次へ
 電車から、ひとりひとりとオトナたちのすがたが消えてゆく。 もうすぐ時間は、夜九時を回ろうとしている。 もうまちあかりはだいぶとざされている。 お月さまは静けさを飲みほして、ひとつ大きなあくびをしたんだ。 だって、よいこのコドモたちはもうとっくにねる時間だったし、あとぼくの住んでいる場所は、都会からはなれた山のおくにあったっていう理由もあるだろう。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加