男なんて大嫌い

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男なんて大嫌い

くだらない。 どうせ、男なんて 汚くて、臭くて、うわー、身の毛のよだつ生き物。 まあ、そこまでは思ってないよ、かっこいい人は見てるだけでいいし、それだけでいい被写体だもの、でもな… なぜ、あんなにもよって、集めて、キャー、キャー言われるのか。 「不思議だ・・・」 ズッ! その音に反応。カフェオレの紙パックを持っている奴。 足元を見た。 男! 「・・・んー、不思議だ」 声出した。それにびくっ! なぜここにいる! 男どもに集まる女子たちを三階の窓から見ていた。 いつの間にか、私の足元には、いつも、女どもが群がるあそこにいるやつが、しゃがみこんでいる。 「なあ、なんでお前、ここにいるんだ?」 ズズッとパックのカフェオレを飲み上目ずかいでこっちを見上げている。 そんなこと言われても、あんたに関係ないじゃない。 「ここさ、開かずの部屋なんだよな」 何?開かずの部屋って? 「なんかさ、出るって噂らしいんだけど、あんた知らねえ?」 知りません、首を振った。 「ふーん」 ズズズー 窓の下を覗き込んでるやつ。 しばし、動かない隣の男、じり、じりっとその場から動こうとした。 「行かないのー」 足をつかまれた、そのまま立ち上がった姿は、イケメンモンスター、でかい。 腕を取られた。 「は、離して!」 顎にかけたマスク、耳には銀色のピアスが光っている。 「お、声出した、いいじゃん」 「離してください!」 「いやなんだー、俺、そんなにダメかな?」 顔が近い!目が大きくて、小さい顔に整った鼻と大きめの口、美男子と言われる要素ありの少年漫画に出てくる典型的な王子様顔にブリーチした茶髪、もう絶対女呼ぶ! 駄目かとわざと覗き込むように私を見るんじゃない!そんなんじゃないだろう、あんたはどう見たって、この学校の上位イケメンズだろうが! 近藤智也、同じ二年生、不良と言われている。 背の高い、きれいな顔、堀が深いけど、外人さんみたいな感じじゃなく、どちらかというと沖縄の方の人のような。 「何?俺の顔なんかついてる?」 うわーついつい見とれていた。 「何?あれ?」 髪で顔を見えなくするように横を向いた。 「え、あ、いや、ちがくて、すみません、ここ美術部」 「え、ここ美術部なの?」 首を縦に振った。
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