22人が本棚に入れています
本棚に追加
眼鏡を見ながら、人のかけてるし。なんで、こんな遅くまで居るんだという、時間を見た、もう九時、まずい、先生の見回り。
慌ててしまい、カバンを持った。
「おい、どうしたんだよ」
「見回り、見つかったら、部活できなくなる」
「やっべ!」
「何しに来たの?」
「忘れ物取りに、あ、あった」
「早く、出て!」
明かりを消して、カギを閉め、走った。
職員室、セーフ、先生は見回りに出たのかだれもいなかった。
外には運動部も終わって、帰る人の波に紛れた、さっきの男、中村真澄は、おんなじ二年生サッカー部だ。
顔は少年のよう、彼もまたマンガに出てきそうな綺麗な顔立ち、女性的な顔で、絵になる、藤崎先輩は間違っていない、被写体としてはさっきの三人はベストであることは間違いない。ただなー、明日取り巻きの女たちはなんて言ってくるかなー。
ハア―、なんで、人に紛れて隠れること、出来ないかなー。
私は、男が嫌いだ!大嫌いだ!
なんで、あんなものが存在するんだろう。
中村も、近藤もいい男で、女子はウキウキしっぱなし、クラスが違うだけでよかった。それじゃなきゃ絶対血祭、どうしてなのから始まる、それも面倒くさい。
三年、たった三年我慢すれば、外の大人とかわらないことができるのだ、早く卒業したい。
「ただいま」
シーンとしたマンションの一室。
明かりをつけた。
『行ってきます、変なのがいるから戸締り忘れないで』
変なのって、いっつもへんじゃんか!
母親は、水商売。
だから嫌だった。
男は死ね!
だけどな、中にはいいのもいるんだよな。
そう、テレビの中の、アニメの男子。
「やった、今から新番組だ、声優はやリー、好きな人が出る」
深夜のBSのアニメを見ながらベッドに横になる。
こんな人ならいいのにな。かっこいい、私だけの王子様。
テレビを見ながら、眠りについた。
最初のコメントを投稿しよう!