0人が本棚に入れています
本棚に追加
「そろそろ事情を説明して欲しいんだが、今のままだと俺は、脳内変換でこの状況を夢として判断する事になる。」
「夢なんかじゃないわよ!!パパは、早く交差点へ向かってよ!じゃ無いと私!!」
眼を真っ赤にさせて、浮遊している彼女は、ワンワンと泣き始めた。
「わ、わかった!わかったよ。行くよ!その後きちんと説明しろよー!」
俺は、校庭を飛びながら学校を左に曲がった薬屋の側にある交差点に急いで向かった。
交差点には、同じ合唱部の南朋が立っていた。
俺は、直感で南朋の元へ向かおうとして飛ぶ速度を上げた。
この後、事故にでも合うのだろうか。
ところが、気がつくと俺は元の校庭の上に戻されていた。
「あれ?」
娘は、プンプンの顔をして怒っていた。
「はい!ハズレ。ママじゃなーい。あれは、合唱部の人でしょ。綺麗な人だけど、ダメ。浮気は、やっぱりダメ。」
「ちょ、ちょい待て!浮気って、俺はまだ誰とも付き合って無いぞ。無実にも程がある!」
プィっと頬を膨らませる娘に俺は、タジタジになった。
最初のコメントを投稿しよう!