その日

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立花の心の中で何かが弾けた。 「よう、早乙女」 早乙女とは優子ちゃんの名字である、 「なあに、立花くん?」 「ひょっとして傘ないのか?よければ貸すぞ」 優子ちゃんの答えは… 「はあ、キモッ」 「えっ!」 「あなた下心が見え見えなのよ、近寄らないでくれる」 「そんな言い方ないだらう、人の好意は受けるもんだぜ」 「じゃあ貸しなさいよ傘」 優子は立花が差し出した傘をさした。 「あなたも入っていきなさいよ、ほら」 「いいのかよ」 「いいのよ、ちょっと試してみたのどんな反応するか」 「なんだよ、実験かよ。てか僕は合格なのか?」 優子は微笑し 「そうね合格よ、相合い傘の権利をあげる」 立花は少し足が震えた、そして涙が出そうなのをグッとこらえたのだ。 そして優子を見据えて 「ありがとう、じゃあ帰ろうぜ」 「ええ。」 と優子は優しく答えた。 このあと交際にまで発展したかはわかりません、が、勇気をだした彼に幸運がおとずれることを願ってます。
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