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「あっ、わかった!
人妻ね? 相手は人妻なんでしょ!?」
「なんでそうなるんだよ……」
我ながら名推理を導いたと思ったのに、葉山は「ちげぇよ」と苦笑して先に昇降口を出て行った。
「あっ、相合傘!」
「おー、頼むわ」
先週新しく買ったばかりのピンクの傘を手にとって葉山の背中を追う。
どんよりした空を見上げて私を待っている葉山はそれはもう絵になっていて、ここで現れるのが超絶美少女だったら校内新聞一面を飾るスクープ間違いなしだろう。
「お待たせ。さっさと帰ろー」
「あぁ、そうだな」
しかし残念ながら声をかけるのは私で、彼が微笑みかけるのも私だ。
「あ、そう言えばさ。さっきの話ってほんとなの?」
「さっきの?」
傘を開き、葉山が濡れないようにとなるべく上の方で固定する。
しかし葉山は当然のように私から傘を取り上げた。
更に私が濡れないようにだいぶ傾けてくれちゃったりして……
うーん、さりげない。
そういうとこだぞ、葉山!
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