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「相合傘してる時は声が綺麗に聞こえるとかなんとか……」
「あぁ、あれな。うそじゃねーぞ」
いざ校門へと歩き出す。
雨だから外で部活をしている人もいなくて、いつもの放課後よりも人気がない。
それだけでもまるで異世界のようなのに、葉山と相合傘をしているという事実がそれに拍車をかけている。
「傘に雨粒が反射するとかどうとかで? 傘の中で聞く声は綺麗に聞こえるんだと」
「へぇ……」
「それが今日みたいな豪雨だったら更にいいらしい」
雨の日は気持ちまで落ち込んでしまうみたいで好きじゃない。
でもそんな素敵な話を聞いたら雨の日もそんなに悪くないんじゃないかと思えてきた。
「物知りだね、葉山。成績はそんなに良くないくせに」
「ぐっ……一言余計だ!」
「あはははは!」
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