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ひみつ
シトシト…雨は降ったまま…
「でも、本当に良く降るね」
「梅雨、嫌い~」
そうやってまた外を見る。
「でも、降らないと夏に水なくなっちゃうよ」
「あ~~そっかあ………」
「去年はそれで、プ-ルなかったんだぁ」
机にグデ~ッっと伸びる優子…『嫌!』って感じが全身から溢れてる。
「今年はプ-ル大丈夫じゃないかな。これだけ降ってるし」
慰めるように言ったけど…優子は、
「プ-ルは男子が嫌~」
また違う方向へ…
「なんで?」
「み~んな、眼がヤラしいんだもん。」
(『みんなって……どんだけ自信過剰!』)
思わず私は、そんな突っ込みを入れたくなった…
「優子は見られたって、いいじゃない。痩せてるんだし…」
そう言ってから…つい自分の太腿に目が行っちゃう…
(私は、ちょっと太ったかな…)
「え~…やだよ~~」
優子の、本当に嫌そうな声。
「なんで?」
「だってえ……胸……成長してないんだもん…」
(何か、今、秘密をカミングアウトされた気がするよ…)
「あ…あははは…そ……そうなんだ?」
(でも……それって……太った…よりも重大だよ…ね…)
引きつりそうな笑いで、私は答えた。
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