きらいなのは

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きらいなのは

シトシト…雨は降ったまま… ちょっと弱くなったみたいだけど… 「嫌っていえば…あの二人も嫌~~」 コロコロと変わっていく話。 (優子の嫌いなモノ話になっちゃったね…) ちょっとそんなことを思った。 「あの二人?」 「ほら…麻紀ちゃんと~」 (あの二人なの?) 意外すぎる名前が出てきて、私は、びっくりしながら 「椎名君?」 多分、次に出てくる男の子の方の名前を言う。 「そうそう」 「え~~!なんで嫌いなの?」 すでにクラス公認のカップルになってる二人。 私なんか、応援したくなっちゃうくらい… それに私と優子だって、麻紀ちゃんとは仲良くしてるのに… 「っていうか、『がんばれ~~っ』て感じの二人じゃない」 「う~~…」 ぷぅっと、ほっぺたを膨らませてる優子。 (もしかして…羨ましいから……?) 「だってぇ…なんか、いっつもラブラブなんだもん…」 「羨ましすぎるよ~~…」 (やっぱり…) 私はそんな事で『嫌』って言われちゃった二人に、同情しちゃう… 「ふぅ…」 思わず溜息… 「う~~~っ…羨ましいよぉ~~」 そう言って机にグデ~っとしたまま、手と足をバタバタ…子供みたい… 「はぁ…そういうので『嫌』とか言わないの!」 ペシ!って感じで、私は優子の頭にチョップをいれた。 「う~~由美がぶったあ~~」 「優子がそんな事言うからだよ!」 私はちょっと怒るみたいにして言った。優子に怒るの半分。同意が半分……私だって……羨ましいって思ってるんだよ……
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