繋がる視線と繋がらない視線

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「あ……った…かもしれない」 「えっ??」 「その、トクン…っていうやつ。したかもしれない」 思い出せば、感じたことがあった。 最近、何度かそういうことがあったような気がした。 「でっ!でも!アレはそういうんじゃないと思う!ほんっとに部長だけは絶対ありえないから」 「ふふっ。じゃあまぁ、そういうことに…しておく」 「しておくじゃなくて!本当にそうだから!」 私がそう言うと、美琴ちゃんはハイハイ、とまるで子供を見るような目で私に笑顔を向けた。 そういうことにしておく、なんて。 なんだか腑に落ちなかったけれど、それからはその話題にはあえて触れず、美琴ちゃんの学生時代の話や最近別れたという元カレとの話を聞いたり、教えてほしいと言われたので私のダイエット方法を詳しく話したり。 私たちはその夜、いろいろとお互いのことを話し、たくさんお互いを知ることができた。 一緒にいると、楽しかった。 美琴ちゃんといると、初めて普通の女の子になれたような気がして。 同じタイミングで笑ったり、自分の言葉で笑ってくれたり。 ただそれだけのことが、すごく楽しくて幸せだと思った。 帰りの電車の中では、窓の向こうの移り変わる景色を見ながら別れ際の彼女の言葉を思い出した。 「これからも相談あったらいつでも聞くからね!あ!でもたまには私の話も聞いてよ?」 笑顔でそう言って手を振ってくれた彼女を思い出すと、胸がいっぱいになっていく。
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