土砂降りの雨と涙

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もう、いい加減慣れてもいいはずなのに。 液晶画面に映った文字を見た途端、歩いていた足が止まり涙が出そうになった。 神様は、絶対に不公平だと思う。 今日は本当についてない。 見たくもないものがまた届いたのかと思えば、いきなり降り出したどしゃ降りの雨。 心が絶望感でいっぱいになっていく。 もうどうでもよくなってきた私は、空から激しく降り注ぐ雨に打たれながらその場に立ち尽くす。 視線を落とすと、アスファルトに跳ね返る雨で靴がびしょ濡れになっていく。 就職活動でしか履いていないはずなのに、随分と履きつぶされた黒のパンプスがやけに悲しく見えた。 もう、いい加減疲れた。 今から面接会場に向かわなければいけないというのに、そんな気力も消えてしまった。
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